電験三種 令和5年度(2023) 下期 電力 問6 過去問解説
次の文章は,変圧器のY−Y結線方式の特徴に関する記述である。
一般に,変圧器のY−Y結線は,一次,二次側の中性点を接地でき,1線地絡などの故障に伴い発生する (ア) の抑制,電線路及び機器の絶縁レベルの低減,地絡故障時の (イ) の確実な動作による電線路や機器の保護等,多くの利点がある。
一方,相電圧は (ウ) を含むひずみ波形となるため,中性点を接地すると, (ウ) 電流が線路の静電容量を介して大地に流れることから,通信線への (エ) 障害の原因となる等の欠点がある。このため, (オ) による三次巻線を設けて,これらの欠点を解消する必要がある。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- (1) (ア) 異常電流 (イ) 避雷器 (ウ) 第二調波 (エ) 静電誘導 (オ) Δ結線
- (2) (ア) 異常電圧 (イ) 保護リレー (ウ) 第三調波 (エ) 電磁誘導 (オ) Y結線
- (3) (ア) 異常電圧 (イ) 保護リレー (ウ) 第三調波 (エ) 電磁誘導 (オ) Δ結線
- (4) (ア) 異常電圧 (イ) 避雷器 (ウ) 第三調波 (エ) 電磁誘導 (オ) Δ結線
- (5) (ア) 異常電流 (イ) 保護リレー (ウ) 第二調波 (エ) 静電誘導 (オ) Y結線
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正解は(3)
解説
【考え方】Y−Y結線は中性点を接地できるのが長所、第三調波が出るのが短所です。それを Δ結線の三次巻線で解決します。
覚えるポイント:Y−Y結線の相電圧には第三調波(3倍の周波数の波)がふくまれます。Δ結線の三次巻線で第三調波の電流を流して打ち消します。
■1 (ア)(イ) 中性点を接地する長所
中性点を接地すると、地絡(電線が地面とつながる事故)のときに異常電圧をおさえられます。→ (ア) 異常電圧
また、地絡電流が流れるので、保護リレーが確実にはたらきます。→ (イ) 保護リレー
避雷器は雷の電圧を逃がす機器で、地絡電流で動くものではありません。
■2 (ウ)(エ) 短所
変圧器の鉄心を磁化する電流には、第三調波(周波数が3倍の成分)がふくまれます。
Y−Y結線ではこれが流れにくく、相電圧が第三調波をふくむひずんだ形になります。→ (ウ) 第三調波
第三調波の電流が大地に流れると、近くの通信線に電磁誘導障害(電流の磁界で雑音が入ること)を起こします。→ (エ) 電磁誘導
■3 (オ) 解決法
Δ結線の三次巻線をつけると、第三調波の電流がΔの中をぐるぐる回ります。
これで相電圧のひずみが消えます。→ (オ) Δ結線
答えは(3)ピヨ。
出典:令和5年度(2023) 下期 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)電力 問6