電験三種 令和5年度(2023) 下期 機械 問12 過去問解説

問12 《電熱(誘導加熱)》
誘導加熱に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
  1. (1) 産業用では金属の溶解や金属部品の熱処理などに用いられ,民生用では調理加熱に用いられている。
  2. (2) 金属製の被加熱物を交番磁界内に置くことで発生するジュール熱によって被加熱物自体が発熱する。
  3. (3) 被加熱物の透磁率が高いものほど加熱されやすい。
  4. (4) 被加熱物に印加する交番磁界の周波数が高いほど,被加熱物の内部が加熱されやすい。
  5. (5) 被加熱物として,銅,アルミよりも,鉄の方が加熱されやすい。
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正解は(4)
解説
【考え方】誘導加熱は、コイルの交番磁界(向きが入れかわる磁界)で金属の中に渦電流(うず状の電流)を流し、その熱で金属自体を温めるしくみです。IH調理器がその例です。 覚えるポイント:表皮効果(交流の周波数が高いほど、電流は表面に集まる) ■1 (1)(2) 使われ方としくみ (1) 工場では金属をとかしたり熱処理したりするのに、家庭ではIH調理器に使われます。正しいです。 (2) 交番磁界の中に金属を置くと渦電流が流れ、そのジュール熱(電流による熱)で金属自体が熱くなります。正しいです。 ■2 (3)(5) 材料による違い 透磁率(磁束の通しやすさ)が高いと、渦電流が表面のうすい所に集まり、電流の通り道がせまくなって抵抗が大きくなるため、熱が多く出ます。 鉄は透磁率が高く、もともとの抵抗も大きいので、銅やアルミより加熱されやすいです。 (3) 正しいです。 (5) 正しいです。 ■3 (4) 周波数と加熱される場所 周波数が高いほど、渦電流は金属の表面近くに集まります(表皮効果)。 なので、周波数が高いほど表面が加熱されやすくなります。 「内部が加熱されやすい」は逆なので、誤りです。 答えは(4)ピヨ。
出典:令和5年度(2023) 下期 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問12