電験三種 令和5年度(2023) 上期 機械 問3 過去問解説

問3 《誘導電動機(誘導起電力)》
次の文章は,三相誘導電動機の誘導起電力に関する記述である。 三相誘導電動機で固定子巻線に電流が流れると (ア) が生じ,これが回転子巻線を切るので回転子巻線に起電力が誘導され,この起電力によって回転子巻線に電流が流れることでトルクが生じる。この回転子巻線の電流によって生じる起磁力を (イ) ように固定子巻線に電流が流れる。 回転子が停止しているときは,固定子巻線に流れる電流によって生じる (ア) は,固定子巻線を切るのと同じ速さで回転子巻線を切る。このことは原理的に変圧器と同じであり,固定子巻線は変圧器の (ウ) 巻線に相当し,回転子巻線は (エ) 巻線に相当する。回転子巻線の各相には変圧器と同様に (エ) 誘導起電力を生じる。 回転子が回転しているときは,電動機の滑りを $s$ とすると, (エ) 誘導起電力の大きさは,回転子が停止しているときの (オ) 倍となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
  1. (1) (ア) 交番磁界 (イ) 打ち消す (ウ) 二次 (エ) 一次 (オ) $\dfrac{1}{s}$
  2. (2) (ア) 回転磁界 (イ) 打ち消す (ウ) 一次 (エ) 二次 (オ) $\dfrac{1}{s}$
  3. (3) (ア) 回転磁界 (イ) 増加させる (ウ) 二次 (エ) 一次 (オ) $s$
  4. (4) (ア) 交番磁界 (イ) 増加させる (ウ) 二次 (エ) 一次 (オ) $\dfrac{1}{s}$
  5. (5) (ア) 回転磁界 (イ) 打ち消す (ウ) 一次 (エ) 二次 (オ) $s$
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正解は(5)
解説
【考え方】誘導電動機は「回る変圧器」と考えます。固定子=一次巻線、回転子=二次巻線です。回っているときの二次誘導起電力は $E_{2s} = sE_2$(s:滑り、$E_2$:止まっているときの二次誘導起電力)です。 ■1 (ア) 固定子が作る磁界 固定子巻線に三相の電流を流すと、ぐるぐる回る磁界ができます。 これを回転磁界といいます。→ (ア) 回転磁界 交番磁界は、向きが入れかわるだけで回らない磁界です。 ■2 (イ) 固定子に流れる電流 回転子に電流が流れると、回転子も起磁力(磁界を作る力)を作ります。 固定子には、その起磁力を打ち消すように電流が流れ込みます。→ (イ) 打ち消す 変圧器で、二次電流の働きを一次電流が打ち消すのと同じです。 ■3 (ウ)(エ) 変圧器との対応 電源につながる固定子は、変圧器の一次巻線にあたります。→ (ウ) 一次 電圧が生まれる回転子は、二次巻線にあたります。→ (エ) 二次 ■4 (オ) 回っているときの起電力 滑り s は、回転磁界に対して回転子が遅れている割合です。$s = \dfrac{n_{\mathrm{s}} - n}{n_{\mathrm{s}}}$ 回転子が回ると、回転磁界に切られる速さは、止まっているときの s 倍になります。 誘導起電力は切られる速さに比例するので、止まっているときの s 倍です。→ (オ) $s$ 答えは(5)ピヨ。
出典:令和5年度(2023) 上期 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問3