電験三種 平成24年度(2012) 機械 問8 過去問解説
三相変圧器の並行運転に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 各変圧器の極性が一致していないと,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。
- (2) 各変圧器の変圧比が一致していないと,負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こす。
- (3) 一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと,その程度によっては,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって,Δ-YとY-Yとの並行運転はできるが,Δ-ΔとΔ-Yとの並行運転はできない。
- (4) 各変圧器の巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと,各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり,出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなる。
- (5) 各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しくないと,各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができない。
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正解は(3)
解説
【考え方】(1)〜(5) を1つずつ確かめます。並行運転(2台以上の変圧器を並べてつなぐ運転)の条件がポイントです。
ポイント:並行運転できるのは、位相のずれ(角変位)が同じ組み合わせです。Δ-Δ と Y-Y、Δ-Y と Y-Δ などはよいですが、Δ-Δ と Δ-Y はだめです。
■1 (1) 極性
極性がちがうと、大きな循環電流(変圧器どうしの間をぐるぐる回る電流)が流れます。正しいです。
■2 (2) 変圧比
変圧比がちがうと、電圧の差で、負荷がなくても循環電流が流れます。正しいです。
■3 (3) 角変位
Δ-Y は、一次と二次の位相が 30° ずれます。Y-Y はずれません。
ずれ方がちがうので、Δ-Y と Y-Y は並行運転できません。
「Δ-YとY-Yとの並行運転はできる」が誤りです。
■4 (4) 抵抗とリアクタンスの比
比がちがうと、各変圧器の電流の位相がずれて、利用率が悪くなります。正しいです。
■5 (5) 百分率インピーダンス降下
%インピーダンス(定格の電流で下がる電圧の割合)がちがうと、容量に合った分担になりません。正しいです。
答えは(3)ピヨ。
出典:平成24年度(2012) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問8