電験三種 平成24年度(2012) 機械 問15(b) 過去問解説

問15(b) 《パワーエレクトロニクス(単相インバータの特徴)》
図1は,単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 $i_{\mathrm{o}}$ と直流電流 $i_{\mathrm{d}}$ は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 (b) 単相インバータの特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問15(b)の図
  1. (1) 図1は電圧形インバータであり,直流電源 $E$ の高周波インピーダンスが低いことが要求される。
  2. (2) 交流出力の調整は,$\mathrm{S_1}$〜$\mathrm{S_4}$ に与えるオンオフ信号の幅 $\dfrac{T}{2}$ を短くすることによって交流周波数を上げることができる。または,$E$ の直流電圧を高くすることによって交流電圧を高くすることができる。
  3. (3) 図1に示されたパワートランジスタを,IGBT又はパワーMOSFETに置換えてもインバータを実現できる。
  4. (4) ダイオードが接続されているのは負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源に戻すためであり,さらにダイオードが導通することによって得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させている。
  5. (5) インダクタンスを含む負荷としては誘導電動機も駆動できる。運転中に負荷の力率が悪くなると,電流がダイオードに流れる時間が長くなる。
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正解は(4)
解説
【考え方】(1)〜(5) を1つずつ確かめます。パワートランジスタは、自分で電流を切れる素子であることがポイントです。 ポイント:パワートランジスタ・IGBT は、信号でオンもオフもできる素子(自分で電流を切れる)です。 ■1 (1) 電圧形インバータ 図1は、直流電圧を切りかえる電圧形インバータです。電源のインピーダンス(流れにくさ)は低いことが必要です。正しいです。 ■2 (2) 周波数と電圧の調整 オンオフの幅を短くすると周波数が上がり、E を高くすると電圧が上がります。正しいです。 ■3 (3) IGBT・パワーMOSFET IGBT やパワーMOSFET も、信号でオンオフできるので使えます。正しいです。 ■4 (4) ダイオードの役目 ダイオードは、コイルにたまったエネルギーを電源にもどす通り道です。ここまでは正しいです。 しかし、パワートランジスタは信号で自分で電流を切れるので、逆電圧で転流(電流の通り道を切りかえること)させる必要はありません。誤りです。 ■5 (5) 力率が悪いとき 力率が悪いほど、電流と電圧のずれが大きくなり、ダイオードに流れる時間が長くなります。正しいです。 答えは(4)ピヨ。
出典:平成24年度(2012) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問15(b)