電験三種 令和元年度(2019) 機械 問9 過去問解説
変圧器の試験方法の一つに温度上昇試験がある。小形変圧器の場合には実負荷法を用いるが,電力用等の大形変圧器では返還負荷法を用いる。返還負荷法では,外部電源から鉄損と銅損に相当する電力のみを供給すればよいので試験電源が比較的小規模なものですむ。単相変圧器におけるこの試験の結線方法及び図中に示す鉄損,銅損の供給方法として,次の(1)〜(5)のうちから正しいものを一つ選べ。ただし,$\mathrm{T_1}$,$\mathrm{T_2}$ は試験対象となる同じ仕様の変圧器,$\mathrm{T_3}$ は補助変圧器である。

- (1) 図の(1)
- (2) 図の(2)
- (3) 図の(3)
- (4) 図の(4)
- (5) 図の(5)
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正解は(2)
解説
【考え方】返還負荷法は、2台の変圧器の間で電力をやりとりさせ、外からは損失の分だけを補う方法です。一次側と二次側のつなぎ方を、それぞれ確かめます。
返還負荷法:一次側を並列にして鉄損を、二次側を電圧が打ち消し合う向きに直列にして銅損を、それぞれ外から補います。
■1 一次側のつなぎ方
$\mathrm{T_1}$ と $\mathrm{T_2}$ を、黒丸(極性の印)どうしをそろえて並列にし、鉄損供給の電源につなぎます。
2台とも定格電圧になるので、鉄損が生じます。
■2 二次側のつなぎ方
2台の二次巻線を直列につなぎます。
このとき、2台の電圧が打ち消し合う向き(黒丸のない端どうしをつなぐ)にします。
打ち消し合うので、輪の中の電圧は 0 になります。
そこに補助変圧器 $\mathrm{T_3}$ で小さな電圧を加えると、定格の電流が流れ、銅損が生じます。
■3 図を確かめる
図の(2)は、一次側が並列で、二次側は $\mathrm{T_1}$ と $\mathrm{T_2}$ の黒丸のない端どうしがつながり、その輪に $\mathrm{T_3}$ が入っています。これが正しい結線です。
(5)は、二次側で黒丸のない端と黒丸の端がつながるので、2台の電圧が足し合わされます。大きな電流が流れてしまうので誤りです。
答えは(2)ピヨ。
出典:令和元年度(2019) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問9