電験三種 平成21年度(2009) 理論 問15(b) 過去問解説
電気計測に関する記述について,次の(a)及び(b)に答えよ。
(b) 図は,ケルビンダブルブリッジの原理図である。図において $R_x$[Ω]が未知の抵抗,$R_s$[Ω]は可変抵抗,$P$[Ω],$Q$[Ω],$p$[Ω],$q$[Ω]は固定抵抗である。このブリッジは,抵抗 $R_x$[Ω]のリード線の抵抗が,固定抵抗 $r$[Ω]及び直流電源側の接続線に含まれる回路構成となっており,低い抵抗の測定に適している。
図の回路において,固定抵抗 $P$[Ω],$Q$[Ω],$p$[Ω],$q$[Ω]の抵抗値が(ア)$= 0$ の条件を満たしていて,可変抵抗 $R_s$[Ω],固定抵抗 $r$[Ω]においてブリッジが平衡している。この場合は,次式から抵抗 $R_x$[Ω]が求まる。
$R_x = $((イ))$R_s$
この式が求まることを次の手順で証明してみよう。
〔証明〕
回路に流れる電流を図に示すように $I$[A],$i_1$[A],$i_2$[A]とし,閉回路Ⅰ及びⅡにキルヒホッフの第2法則を適用すると式①,②が得られる。
$Pi_1 = R_xI + pi_2$ ……①
$Qi_1 = R_sI + qi_2$ ……②
式①,②から
$\dfrac{P}{Q} = \dfrac{R_xI + pi_2}{R_sI + qi_2} = \dfrac{R_x + p\dfrac{i_2}{I}}{R_s + q\dfrac{i_2}{I}}$ ……③
また,$I$ は $(p + q)$ と $r$ の回路に分流するので,$(p + q)i_2 = r(I - i_2)$ の関係から式④が得られる。
$\dfrac{i_2}{I} = $(ウ) ……④
ここで,$K = $(ウ)とし,式③を整理すると式⑤が得られ,抵抗 $R_x$[Ω]が求まる。
$R_x = $((イ))$R_s + $((ア))$qK$ ……⑤
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる式として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

- (1) (ア)$\dfrac{P}{Q} - \dfrac{p}{q}$,(イ)$\dfrac{P}{Q}$,(ウ)$\dfrac{r}{p + q + r}$
- (2) (ア)$\dfrac{p}{q} - \dfrac{P}{Q}$,(イ)$\dfrac{P}{q}$,(ウ)$\dfrac{p}{p + r}$
- (3) (ア)$\dfrac{p}{q} - \dfrac{P}{Q}$,(イ)$\dfrac{Q}{p}$,(ウ)$\dfrac{q}{q + r}$
- (4) (ア)$\dfrac{Q}{P} - \dfrac{q}{p}$,(イ)$\dfrac{Q}{P}$,(ウ)$\dfrac{r}{p + q + r}$
- (5) (ア)$\dfrac{P}{Q} - \dfrac{p}{q}$,(イ)$\dfrac{P}{Q}$,(ウ)$\dfrac{p}{p + q + r}$
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正解は(1)
使う公式
ブリッジの平衡 検流計の電流が0のとき、向かい合う辺の比が等しい $\dfrac{P}{Q} = \dfrac{R_x}{R_s}$
解説
【考え方】④で $\dfrac{i_2}{I}$ を出し、③に入れて $R_x$ の形に整理します。2つ目の項が0になる条件が (ア) です。
■1 (ウ) 電流の比 K
④は、$(p + q)i_2 = r(I - i_2)$ を $i_2$ について解きます。
$(p + q)i_2 + ri_2 = rI$
$(p + q + r)i_2 = rI$
$\dfrac{i_2}{I} = \dfrac{r}{p + q + r} = K$ → (ウ) $\dfrac{r}{p + q + r}$
■2 ③を整理する
③は $\dfrac{P}{Q} = \dfrac{R_x + pK}{R_s + qK}$ です。たすきがけ(両辺に2つの分母をかけて、分数をなくすこと)をします。
$Q(R_x + pK) = P(R_s + qK)$
かっこを開きます。
$QR_x + QpK = PR_s + PqK$
$QR_x = PR_s + PqK - QpK$
両辺を Q で割ります。
$R_x = \dfrac{P}{Q}R_s + \dfrac{P}{Q}qK - pK$
$pK = \dfrac{p}{q}qK$ と書きかえて、qK でまとめます。
$R_x = \dfrac{P}{Q}R_s + \left(\dfrac{P}{Q} - \dfrac{p}{q}\right)qK$
■3 (ア)(イ) 平衡の条件
$\dfrac{P}{Q} - \dfrac{p}{q} = 0$ なら2つ目の項が消えます。→ (ア) $\dfrac{P}{Q} - \dfrac{p}{q}$
すると $R_x = \dfrac{P}{Q}R_s$ です。→ (イ) $\dfrac{P}{Q}$
リード線の抵抗 r の影響がなくなるので、小さい抵抗を正しく測れます。
答えは(1)ピヨ。
出典:平成21年度(2009) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)理論 問15(b)