電験三種 平成22年度(2010) 機械 問3 過去問解説
次の文章は,三相の誘導機に関する記述である。
固定子の励磁電流による同期速度の(ア)と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し,その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので,トルク特性を制御するため,巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと(イ)で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑り $s = 1$)から同期速度(滑り $s = 0$)の間,すなわち,$1 \gt s \gt 0$ の運転状態では,磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は(ウ)となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合,磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し,誘導機は(エ)となる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
- (1) (ア)交番磁界,(イ)スリップリング,(ウ)電動機,(エ)発電機
- (2) (ア)回転磁界,(イ)スリップリング,(ウ)電動機,(エ)発電機
- (3) (ア)交番磁界,(イ)整流子,(ウ)発電機,(エ)電動機
- (4) (ア)回転磁界,(イ)スリップリング,(ウ)発電機,(エ)電動機
- (5) (ア)交番磁界,(イ)整流子,(ウ)電動機,(エ)発電機
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正解は(2)
解説
【考え方】誘導機は、回転磁界と回転子の速さの差で動きます。回転子が同期速度より遅いか速いかで、電動機か発電機かが決まります。
覚えるポイント:滑り $s = \dfrac{N_{\mathrm{s}} - N}{N_{\mathrm{s}}}$(N_s:同期速度、N:回転子の速度)。$0 \lt s \lt 1$ で電動機、$s \lt 0$ で発電機
■1 (ア) 磁界の種類
三相の電流は、ぐるぐる回る磁界(回転磁界)をつくります。→ (ア) 回転磁界
交番磁界は、向きが行ったり来たりするだけの磁界で、ここには合いません。
■2 (イ) 巻線を外へ出す部品
巻線形では、回転子の巻線をスリップリング(回転軸についた輪)とブラシで外に出し、抵抗をつなぎます。→ (イ) スリップリング
整流子は直流機の部品です。
■3 (ウ)(エ) 速さと運転のしかた
回転子が同期速度より遅いとき、回転の向きにトルクが出るので、電動機です。→ (ウ) 電動機
同期速度より速く回すと、ブレーキの向きのトルクが出て、発電機になります。→ (エ) 発電機
答えは(2)ピヨ。
出典:平成22年度(2010) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問3