電験三種 平成23年度(2011) 電力 問1 過去問解説
図のような水路式水力発電所において,有効電力出力が定格状態から突然低下した。出力低下の原因箇所を見定めるために,出力低下後に安定した当該発電所の状態を確認すると,出力低下前と比較して,以下のような状態となっていた。
・水車上流側の上部水槽で水位が上昇した。
・水車流量が低下した。
・水車発電機の回転数は定格回転数である。
・発電機無効電力は零(0)のまま変化していない。
・発電機電圧はほとんど変化していない。
・励磁電圧が低下した。
・保護リレーは動作していない。
出力低下の原因が発生した箇所の想定として,次の(1)〜(5)のうちから最も適切なものを一つ選べ。

- (1) 水位観測地点(上部水槽)より上流側水路
- (2) 水車を含む水位観測地点(上部水槽)より下流側水路
- (3) 電圧調整装置
- (4) 励磁装置
- (5) 発電機
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正解は(2)
解説
【考え方】出力が下がった原因が「水」の側か「電気」の側かを、水位・流量・電気の状態から見分けます。
ポイント:水力発電の出力 $P = 9.8QH\eta$(P:出力[kW]、Q:流量[m³/s]、H:落差[m]、η:効率)。出力は流量 Q に比例します。
■1 出力が下がった理由
水車流量 Q が減ったので、出力が下がりました。
■2 水の側のどこか
上部水槽(水車の手前で水をためておく槽)の水位は上がっています。
上から来る水は減っていないのに、下へ流れにくくなったので、水槽に水がたまったと考えられます。
だから、原因は上部水槽より下流側(水圧管や水車のほう)です。
もし上流側の水路で水が止まったなら、水槽の水位は下がるはずです。(1) ではありません。
■3 電気の側ではない理由
回転数も発電機電圧も変わらず、保護リレーも動いていません。
だから、電圧調整装置・励磁装置・発電機の (3)〜(5) は原因ではありません。
励磁電圧(発電機の磁石の強さを決める電圧)が下がったのは、出力が減って、必要な励磁が小さくなったためです。
答えは(2)ピヨ。
出典:平成23年度(2011) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)電力 問1