電験三種 平成23年度(2011) 電力 問6 過去問解説
架空送配電線路の誘導障害に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 誘導障害には,静電誘導障害と電磁誘導障害とがある。前者は電力線と通信線や作業者などとの間の静電容量を介しての結合に起因し,後者は主として電力線側の電流経路と通信線や他の構造物との間の相互インダクタンスを介しての結合に起因する。
- (2) 平常時の三相3線式送配電線路では,ねん架が十分に行われ,かつ,各電力線と通信線路や作業者などとの距離がほぼ等しければ,誘導障害はほとんど問題にならない。しかし,電力線のねん架が十分でも,一線地絡故障を生じた場合には,通信線や作業者などに静電誘導電圧や電磁誘導電圧が生じて障害の原因となることがある。
- (3) 電力系統の中性点接地抵抗を高くすること及び故障電流を迅速に遮断することは,ともに電磁誘導障害防止策として有効な方策である。
- (4) 電力線と通信線の間に導電率の大きい地線を布設することは,電磁誘導障害対策として有効であるが,静電誘導障害に対してはその効果を期待することはできない。
- (5) 通信線の同軸ケーブル化や光ファイバ化は,静電誘導障害に対しても電磁誘導障害に対しても有効な対策である。
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正解は(4)
解説
【考え方】(1)〜(5) を1つずつ確かめます。2つの誘導障害の「つながり方」のちがいがポイントです。
ポイント:静電誘導は静電容量でつながって起き、電磁誘導は相互インダクタンス(電流の磁気によるつながり)で起きます。
■1 (1) 2つの誘導障害
静電誘導は静電容量、電磁誘導は相互インダクタンスによるつながりが原因です。正しいです。
■2 (2) ふだんと地絡のとき
ねん架(電線の位置を途中で入れかえること)が十分なら、ふだんは3本の影響が打ち消し合います。
しかし一線地絡(1本の電線が地面とつながる事故)のときは、つり合いがくずれ、障害が出ることがあります。正しいです。
■3 (3) 中性点の接地抵抗と遮断
接地抵抗を高くすると、地絡のときの電流が小さくなります。早く遮断すれば、影響の時間も短くなります。
どちらも電磁誘導障害を減らします。正しいです。
■4 (4) 地線(遮へい線)
電力線と通信線の間に、地面につないだ線を張ると、2つのつながりを弱めることができます。
この線は、電磁誘導だけでなく、静電誘導を減らすのにも役立ちます。
「静電誘導には効果がない」が誤りです。
■5 (5) 同軸ケーブル・光ファイバ
同軸ケーブルはまわりが金属でおおわれ、光ファイバは電気を使わないので、どちらの誘導にも強いです。正しいです。
答えは(4)ピヨ。
出典:平成23年度(2011) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)電力 問6