電験三種 平成25年度(2013) 電力 問10 過去問解説
地中電線の損失に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 誘電体損は,ケーブルの絶縁体に交流電圧が印加されたとき,その絶縁体に流れる電流のうち,電圧に対して位相が90[°]進んだ電流成分により発生する。
- (2) シース損は,ケーブルの金属シースに誘導される電流による発生損失である。
- (3) 抵抗損は,ケーブルの導体に電流が流れることにより発生する損失であり,単位長当たりの抵抗値が同じ場合,導体電流の2乗に比例して大きくなる。
- (4) シース損を低減させる方法として,クロスボンド接地方式の採用が効果的である。
- (5) 絶縁体が劣化している場合には,一般に誘電体損は大きくなる傾向がある。
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正解は(1)
解説
【考え方】(1)〜(5) を1つずつ確かめます。損失になるのは、電圧と同じ位相(向き)の電流だけです。
覚えるポイント:誘電体損は、絶縁体に流れる電流のうち、電圧と同じ位相の成分で生じる損失($W = \omega C V^2 \tan\delta$。tanδ は誘電正接で、損失の大きさの目安)。
■1 誘電体損 (1)(5)
(1) 絶縁体に流れる電流は、ほとんどが電圧より 90° 進んだ成分(充電電流)です。
この成分は電力を消費しません。
損失になるのは、電圧と同じ位相のわずかな成分です。だから誤りです。
(5) 絶縁体が古くなると、tanδ が大きくなり、誘電体損も大きくなります。正しいです。
■2 シース損 (2)(4)
(2) シース損は、ケーブルを包む金属シース(金属のさや)に流れる電流による損失です。正しいです。
(4) クロスボンド接地は、シースのつなぎ方を工夫して、シースの電流を打ち消します。正しいです。
■3 抵抗損 (3)
抵抗損は $RI^2$ なので、電流の2乗に比例します。正しいです。
答えは(1)ピヨ。
出典:平成25年度(2013) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)電力 問10