電験三種 平成28年度(2016) 機械 問2 過去問解説
次の文章は,直流機に関する記述である。
直流機では固定子と回転子の間で直流電力と機械動力の変換が行われる。この変換を担う機構の一種にブラシと整流子とがあり,これらを用いた直流機では通常,界磁巻線に直流の界磁電流を流し,【(ア)】を回転子とする。
このブラシと整流子を用いる直流機では,電機子反作用への対策として補償巻線や補極が設けられる。ブラシと整流子を用いる場合には,補極や補償巻線を設けないと,電機子反作用によって,固定子から見た【(イ)】中性軸の位置が変化するために,これに合わせてブラシを移動しない限りブラシと整流子片との間に【(ウ)】が生じて整流子片を損傷するおそれがある。なお,小形機では,補償巻線と補極のうち【(エ)】が一般的に用いられる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- (1) (ア)界磁 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補償巻線
- (2) (ア)界磁 (イ)幾何学的 (ウ)応力 (エ)補極
- (3) (ア)電機子 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補極
- (4) (ア)電機子 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補償巻線
- (5) (ア)電機子 (イ)幾何学的 (ウ)応力 (エ)補償巻線
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正解は(3)
解説
【考え方】電機子反作用(電機子電流がつくる磁束が、界磁の磁束をゆがめること)と、その対策(補極・補償巻線)を考えます。
■1 (ア) 回転子は何か
直流機では、ふつう、止まっている固定子に界磁巻線を置いて磁束をつくります。
回る側の回転子は、電機子(電圧が生まれる巻線)です。→ (ア) 電機子
■2 (イ) ずれる中性軸
電機子に電流が流れると、その電流も磁束をつくり、界磁の磁束をゆがめます。
すると、磁束が0になる位置(電気的中性軸)がずれます。→ (イ) 電気的
形で決まる幾何学的中性軸は動きません。
■3 (ウ) 何が生じるか
中性軸がずれると、ブラシと整流子片(電流の向きを切りかえる部品)の間に火花が出て、整流子を傷めます。→ (ウ) 火花
「応力」(物にかかる力)ではありません。
■4 (エ) 小形機に使う対策
補極は、中性軸の近くだけを直す小さな磁極で、作りがかんたんです。→ (エ) 補極
補償巻線は効果が大きいですが、作りが複雑なので、大形機に使います。
答えは(3)ピヨ。
出典:平成28年度(2016) 第三種電気主任技術者試験(電気技術者試験センター)機械 問2